2017年11月1日から一ヶ月間、六本木ヒルズに期間限定でオープンした「Google Telewrok Lounge」。場所や時間に捉われない多様な働き方を提案してきたGoogleが、実際に「テレワーク」を体験できる場としてつくったトライアルスペースだ。テクノロジーで叶える自由なはたらき方を学ぶこの空間で、「これからのテレワークを支えるテクノロジーと衣類」をテーマに、GoogleとJINSとsitateruのトークセッションが行われた。  

自分に最適なはたらき方を体験できる場

ホットトピックとなりつつある「働き方改革」だが、日本ではまだまだ働き方の自由度が低い。育児や介護、地方回帰などが進む中で、場所にとらわれない働き方の需要はますます高まっているにも関わらず、定時にオフィスに出社して働くというスタイルが定着しており、社員がオフィス以外の場所で働くことに馴染みのない企業が少なくない。そんな企業やはたらく人々に対して、「Google Telework Lounge」では、テレワークの3つのスタイルである「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」「在宅勤務」をそれぞれのゾーンで体験し、導入課題について学ぶことができる。 この場所の母体となっているGoogle womenwillのプロジェクトマネージャー岸田明理さんによると、「オフィス以外の場所でも変わらずに仕事ができる環境を整えるべき」と考えている人が71%もいるにも関わらず、実際に在宅勤務制度を利用したことがある人はわずか12.6%にしか満たない。テレワークに対して、「仕事が限られてしまう」「業務に支障が出る」というイメージを持っている人が多いというのが現状だ。 「はたらき方改革とは言いながらも、まだまだ自由なはたらき方を実践している企業は少ないです。実際に体験することで、マイナスなイメージが払拭されるという結果も出ています」(岸田さん) Google Telewrok Lounge

新しいはたらき方をサポートするウエア

実際に体験したことがない人にとってテレワークは、「あまり集中できなさそう」「コミュニケーションが円滑にできなさそう」「チームの一体感や推進力が低下しそう」などのマイナスのイメージを連想しがちだ。しかし、そういった課題を解決するのが、テクノロジーとウエアかもしれない。 ひとりで仕事をするのではない限り仕事を進める上でコミュニケーションは必要不可欠な課題だ。Googleハングアウトなどテクノロジーを活用することで円滑なコミュニケーションがとれることは間違いないが、離れて仕事をする上で”仲間意識”や”一体感”を感じられないという心理的な不安は残る。そういった感情面をサポートするひとつの解決策としての「ワークウエア」を掘り下げてみたい。 ワークウエアとはたらき方に関する調査によると、オリジナルワークウエアでは、79.1%が「仕事仲間の一体感を感じる」と答えた。また、仕事のやる気を感じる、仕事に誇りを持てるなどの効果があるということがわかった。 ワークウエアの調査 「テレワークを実施する上では、個人をどう”統制するか” ”監視するか”ということが課題視されがちですが、そうではなく、”一体感” や”チームワーク”という前向きな方向で考えていけるといいですよね」(河野) また、独自調査ではワークウエアがオンオフを切り替えるスイッチの役割を果たしているということも分かった。自宅でのテレワークの場合は特に、仕事と生活の境目が曖昧になってしまうことも考えられる。そういった時に、服を着替える、あるいは上着を羽織るという行為自体が切り替えの行動パターンになる。 「ある企業さんで、実際にテレワークを導入するにときに、なにか”仕事スイッチ”になるものが欲しいという声がありました。たとえば女性だと、メイクをすることだったりするのですが、服を着るということも同じ役割を果たしますよね」(岸田さん) GoogleとJINSとsitateruのトークセッション

個人が最大のパフォーマンスを発揮するためには

「それぞれの能力を発揮するためにワークウエアが提供できるのは、”安心感”だと思っています。チームとの繋がりを感じているということや、企業のアイデンティティ身にまとっているということ、そしてニュートラルな自分でいられるということも大事な要素になってきます」(河野) 統制と自由、オフィスと在宅、組織と個人。はたらき方を巡る議論は、そういった二項対立ではなく、いかに個人が自身の置かれている状況の中で能力を最大限に発揮できるかということだ。そのために、モチベーションや集中力を保つことができる自身に最適な環境を整えることが大切だ。そんなときに、働く個人の一番身近にあるウエアはイノベーションを起こす鍵を担っているかもしれない。今回のイベントとGoogle Telework Loungeでの体験を通して、そんな新しい未来を予感した。