東京国際フォーラムの一角、全面ガラス張りの外観が特徴的な「800°DEGREES 東京国際フォーラム店」が、2月にオープンした。丸の内エリアということもあり、ビジネス使いや訪日客を見込んで「大人ラウンジ」というデザインコンセプトのもと、居住性を持たせた居心地の良い空間を作りこんだ。

これまでの店舗は、LA発のピッツェリアブランドとして西海岸エリアのカジュアルな雰囲気を意識していたが、今回の店舗は大きくイメージチェンジした。個室のVIPルームをつくったり、100人規模のパーティープラン用の食事メニューやワインリストを充実させた。それに伴い、ユニフォームも一部リニューアル。

「これまでの店舗のユニフォームは、ハットをかぶるなど可愛らしい雰囲気でしたが、大人っぽくしたいという要望がありました。機能面を重視しすぎていたので、よりデザイン性の高いものにチャレンジしたいと思っていました。また、ファッションビルのルミネだからこそ、いわゆる一般的なユニフォームの素材を使いたくなかったんです」(株式会社ルミネ 800 DEGREES プロジェクト アシスタントチーフ 伊藤愛子さん)

そこで制作したのは、ベスト、シャツ、デニムサロン、キャスケット。デザインは、セレクト系ファッションブランドで活躍するデザイナーが手がけた。

ベストには、前身頃にウールタッチの素材、後ろ身頃にピーチスキン風素材を使用し、フォーマルさもありながら抜け感のある形に落とし込んだ。背面のアジャスターにより、デザインのアクセントと機能性を担保した。シャツには、前立てにブラックのラインを入れることで、ネクタイをしているような風格を出した。

サロンは厚手のブラックデニムを使用し、西海岸のカジュアルさも取り入れた。ピッツァをカスタムして作り上げるスタッフたちの帽子は、キャスケットに。ハットよりも人を選ばないが、ファッショナブルな雰囲気に仕上がった。

「こちらのニーズに合ったデザイナーさんをアサインしてもらえたのが良かったです。まさに、ルミネに入っているようなセレクトショップのデザイナーさんだったので、とても親和性がありましたね」(伊藤さん)

ユニフォームリニューアルの主目的は店舗に合わせたブランディングだったが、採用ブランディングにも活用された。アルバイトの採用担当者からは、早めにユニフォームのデザインをアルバイト募集ページに掲載したいという要望があったそう。

「“おしゃれな制服”は、アルバイト採用で絶対大事なポイントですね。募集をかける上で、制服を掲載することで引きがあるようです。また、現在ベストを着ているのは社員だけなのですが、アルバイトの方もリーダーに昇格することでベストを貸与するなどの仕組みを設計予定です。そういったインセンティブを長く働くモチベーションにしてもらえたらと思っています」(伊藤さん)

ルミネの空間づくりやデザインの知見を活かし、クリエイティブには徹底的にこだわる。今回の店舗では、アンティーク風のテーブルやアーティストによる絵画を取り入れたり、音響デザイナーが店内の音響設備を手掛けたりするなど、店舗ブランディングには本腰を入れている。

「ブランディングを大事にしています。出店場所も厳選しますし、持って帰ることのできる雑誌のようなリーフレットなど、お客様の目に見えるものにはとことんこだわるという方針でやっていますね。もちろんユニフォームもその一環。店舗ごとにデザインコンセプトを変えているので、できることならユニフォームも店舗ごとに変えていきたいと思っているくらいです」(伊藤さん)