未来のライフスタイルを体験できるスマートホステル

マンガアプリやアドテク領域、IoT導入などを手掛ける「and factory(アンドファクトリー)」。そのテクノロジーの知見を生かし、2016年に「&AND HOSTEL」のブランドとしてホステル事業をスタートした。会社のコアメンバーに不動産のプロがいたことも、ひとつのきっかけだった。

「我々は、ベンチャー企業なのでゼロイチを生み出し続ける必要があると思っています。アプリと不動産を掛け合わせてなにか新規事業ができないかという話と、インバウンド需要が高まるというマーケット状況が重なり、インバウンドに特化したスマートホステルをやろうということになりました」(and factory IoT Division Real Estate Tech Unit Manager 茶置 貴秀氏)

 
 スマートホステルという名の通り、フロントで手渡されたスマートフォンひとつで、ルームキー、ライトの調光、カーテンの開け閉めを操作できたり、アレクサで音楽をかけたりなど、少し先のIoTライフスタイルを体験できる。

 福岡で1店舗目を開業し、その後東京・浅草、大阪・堺筋本町など、現在は9店舗を展開。今年は、IoTをライフスタイルとして体験できるという点を評価され「グッドデザイン賞」も受賞した。「日本で一番のホステルブランドになる」という目標を掲げ、事業としてアクセルかけていくフェーズだ。

「持って帰りたい」ー着心地を追求したナイトウエア

 「&AND HOSTEL」としてブランド内部の価値を高めるべく、ブランド理念などを再検討したり、ロゴや内装の見直しなど、ブランディングを強化している。

その中で、ひとつ懸念されていたのが「館内着」だった。海外からの観光客を主な客層としながらも、最近ではビジネス利用も増え始め、ナイトウエアの要望が増えていた。そこで、まずは大阪の「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」にて導入をスタートした。

 
「フロントでも室内着の使用を希望されるお客様が多く、一時対策として一般購入したスウェットを貸し出したり、数がないときにはお断りをしていて、心苦しい思いをしていました。ブランド体験のひとつとして、館内着を作る必要を感じました」(茶置氏)

デザインでこだわったのは、動きを制限しない身軽さ、朝ごはんなどでラウンジでも着れるようなかっこよさ。色は、内装に溶け込むネイビーに。


「導入後、予想以上にほとんどのお客様が使ってくれており、嬉しいですね。こんなに求められていたんだと痛感しました。ラウンジでも、カフェ利用者と宿泊者の見分けがつくので、昨日の観光はどうだった?などとスタッフから声がけもでき、コミュニケーションにつながったりもしています。海外のお客様で、着心地が良すぎて持って帰りたいとまで言っていただいた方もいました」(茶置氏)

ビジネス利用のためのブランディングとUX

 インバウンド需要のピークが来年と迫る中、今後はビジネスマンの利用も増やしていきたいと考える。そういった意味でも、しっかりとしたブランディングやアメニティの充実は必須の要素だ。

 「デザインにこだわった宿泊施設なども増えてきており、ビジネスホテルとホステルの垣根が曖昧になってきています。店舗のロゴの意味や成り立ち、内装へのこだわりなど、ひとつひとつの意味をスタッフが説明できるようにしています。また、IT企業としては、サイトで写真を見た瞬間に予約のボタンをクリックしたくなるようなウェブ上での第一印象や、サイトのUI・UXも重視しています。そういった一つ一つをもっと磨いていきたいですね」(茶置氏)

今後もユニフォームやグッズなど、いろいろなものを作っていきたいと話す。Webでの予約から、施設でのIoT体験、その場所の空気、そしてナイトウエアに至るまで、スマートフォン事業に強みを持つand Factoryだからこそできる「ブランドエクスペリエンス」を創り上げていくのだろう。