「ブルーシートをブルーシード(青いたね)に」。熊本地震によって、大量に発生したブルーシートをトートバッグとして蘇らせる。震災を象徴とするブルーシートをポジティブなイメージに転換し、長期化する被災地への関心の風化を防ぐためのプロジェクトが立ち上がった。多くのメディアにも取り上げられた、リバイバルトートバッグはどうやって生まれたのか。

「創造力は奪えない」

今回の地震被害の中でも、特に印象的である阿蘇大橋の崩落に市民は大きな衝撃を受けた。それでも、決して絶望することなく、「すぐには本物の橋をかけることはできない。でも、創造の橋はすぐにでもかけられる」、「橋がなくなっても私たちは繋がっている」という思いと、「県内外との支援の『架け橋』になりたい」という思いを込めて「BRIDGE KUMAMOTO」は立ち上がった。

復興プランを地元・熊本のクリエイターを中心に、県外のクリエイターおよび支援者と共創することで「熊本の創造的な復興」の架け橋になる。そのプロジェクトのひとつとして、壊れた家屋などを覆っていたブルーシートを使ってものづくりができないかという案が出た。

ブルーシートを「BLUE SEED(青いたね)」に

アイデアは、たくさんの人の力を借りて現実になっていった。まず、廃棄される前のブルーシートを回収、スタッフが手洗いで丹念に洗浄した。その”生地”に、裏地と取っ手を合わせ、熊本の縫製工場でバッグの形にした。ブルーシートという撥水性の高い特殊な生地に、油性インクも水性インクも難しく、試行錯誤の末にきれいなプリントが仕上がった。

売上の一部は熊本震災支援プロジェクト「BRIDGE KUMAMOTO」の運営費および被災地への支援金、つまり「復興の種・シード」に。

クリエイティブの力で蘇らせる想い

2016年11月に、東京・表参道のポップアップストアで販売。一週間ほどで即完売してしまった。テレビやウェブニュース、新聞など多くのメディアにも取り上げられ、活動は世の中に広まっていった。現在、追加生産やニューアイテムの生産を進めている。

「復興支援」というと、ボランティアを想像してしまいがちだが、こうやって県外にいても、関わることはできる。テレビでも熊本地震のニュースを見ることは少なくなったが、まだまだ被害の大きかった地域は建物が崩れたまま。避難所で暮らす人や、支援を必要とする人がたくさんいる。震災を風化させないためにも、クリエイティブの力で熊本への気持ちを蘇らせたい。Bridge KUMAMOTOのクリエイターたちの思いで、全国に青いたねが広がろうとしている。