ベイクルーズの新規事業発掘プロジェクトとして、2015年から始まった「STARTUP CAMP」。社内新規事業コンテストは、IT企業や大手企業に増えてきた制度ではあるが、実際にそこから事業化するところまでをきちんとサポートしている企業はそう多くない。しかしこの「STARTUP CAMP」からは、最近いくつかの新事業が実際に生まれてきている。

「EMILY WEEK」も、そのひとつ。女性特有のバイオリズムに寄り添ったライフデザインを提案するという、コンセプトが立ったブランドだ。

ブランド提案者の柿沼さんは2016年4月のコンテストに応募、約100名の中から選出され同年11月に事業化が決定し、翌年9月にブランドを立ち上げた。現在、百貨店やSCでのポップアップを頻繁に開催、またECを中心にファンを広げ、ついに来年春に向けて実店舗出店の準備をしている。

夢に近づくためにウェブ業界からアパレルへ転身

実は柿沼さんが「EMILY WEEK」を構想し始めたのは25歳のとき。

「新卒で入ったWEBの会社で、深夜まで残業したりと頑張りすぎてしまい、徐々に生理が重くなっていったんですね。病院に行っても特に異常はなく、生活を改めるしかないと思って、布ナプキンやアロマを使ってみたり自分でいろいろと試してみたんです。新しいアイテムを試したいという気持ちから少しずつ気分がポジティブに変化して、生活も変わっていきました。自分にとって何が心地いいのかという軸ができた。
生理やPMSは世界中の女性にとって、何十年も向き合わなければならない普遍的なもの。同じように悩む人に向けて、自分がポジティブなれるアイテムを見つけられるように、ファッションブランドとして提案できたらと考えるようになりました」(EMILY WEEK コンセプター柿沼あき子さん)

ブランドの構想をしながらもしばらくはWEBの仕事を続けていたものの、やりたいことへのギャップを感じ始め、アパレル企業に転職することを決意。2014年、WEB販促の担当として、ベイクルーズグループに入社した。様々なブランドの販促やECなどに携わる中、社内の新しい試みとして始まったコンテストに応募した。

「入社してから社内コンテストが始まって、これはチャンスだ!と思いました。異業種出身者だからこその視点もあるし、応募すれば通るだろうという自信があった。それでも、事業化が決まった後、社内のいろんな部署の方に協力してもらってブランドを立ち上げられたのはラッキーでした」(柿沼さん)

生地から作るーコンセプトへ忠実にこだわり抜くものづくり

「EMILY WEEK」では、生理週間を軸に女性のバイオリズムに寄り添ったライフデザインを提案。周期に合わせたブレンドのアロマやハーブティー、そして”生理用品”の固定概念を打ち破るような洗練されたデザインのアンダーウェアやナイトウエアをオリジナルで展開している。肌への負担も考え、オーガニックコットンやシルクなど素材の質にもこだわっている。

「既存のサニタリーショーツはなぜかファンシーなものか色が白黒肌色などシンプルすぎるものばかり。勝手に作りあげられた女性のイメージなのかもしれません。もっと洋服と同じ感覚で、生活に馴染む身近なものにしたい。ファッションの力で、ネガティブな期間をポジティブに変えたいと思いました。

ただ、いわゆる”洋服”とは違ったので、アンダーウェアへの知見が、社内には少なかったんです。そこでシタテルに相談して、オーガニックコットンの生地をオリジナルカラーでつくり、サニタリーショーツの生産を依頼しました。他にも、アロマやハーブティーなどは専門家の方に調合をお願いしたり外部の方も含めて様々な力を借りてブランドができあがりました。

これもアパレル業界に入って知ったことですが、ほとんどのブランドは生地を1から作ることなんてなかなかしないんですね。でも天然繊維を使用したもので理想とする生地がなかったので、こだわりは貫き通して、生地からオリジナルで生産しました。社外のデザイナーの方に感心されましたよ(笑)」(柿沼さん)

異業種からの転身だからこその視点を大切にしたい

「肌がよりデリケートになり、気分が落ち込みがちになる時期にこそ天然繊維を使用し気分の上がる下着でポジティブに過ごしたい。」そんな実体験に基づいたものづくりに共感する人は多かった。次第にファンがつき、特にサニタリーショーツは全色購入したりリピートする人も。ブランドを立ち上げて1年、渋谷ヒカリエやアトレ恵比寿、maison IENAなど、様々な場所でポップアップを展開してきた。直接顧客と話す機会も多く、その意見を取り入れて改良につなげたり、新商品開発のヒントにしている。

「本質的にやりたいことは、女性特有の悩みをファッションやデザインの力でポジティブに転換するという新しい文化を作って、次世代につなげるということなんだと思います。だから、EMILY WEEK以外でもそういった新しいアイテムがあればもちろん紹介したい。だからセレクトショップという形態にしているんです」(柿沼さん)

そもそも”服を作って売る”ということが目的のアパレルメーカーとは、視点が違う。そこに、異業種から立ち上げたからこその強みがある。

「業界にはない考え方をファッションに落とし込んでいくということは、逆に業界からも求められているはず。ファッション以外のところに目を向ける視線も大事なのではと思っています。でもベイクルーズに入って思うことは、ファッション業界の人たちには自分に到底及ばないようなセンスがある。そこはこれから吸収して磨いていきたいですね」(柿沼さん)

【EMILY WEEK POPUP情報】

■EMILY WEEK LIMITED SHOP in SEIBU SHIBUYA
期間:12月11日(火)〜12月17日(月)
場所:〒150-8330 東京都渋谷区宇田川町21-1 西武渋谷店 A館1F プロモーションスペース
営業時間:月〜土曜日10:00-21:00、日祝10:00-20:00

■EMILY WEEK LIMITED SHOP in Shibuya Hikarie ShinQs
期間:12月26日(水)〜2019年1月9日(水)
場所:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2丁目22-1 渋谷ヒカリエShinQs 2F イベントステージ2
営業時間:10:00-21:00
※年末年始の営業時間は渋谷ヒカリエShinQsの営業時間に準じます。
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