インスピレーションを得られる食堂

新宿西口にそびえ立つオフィスビル「新宿野村ビル」。イノベーティブなワークスペースへと進化する一環として、オフィスワーカー向けのラウンジやカフェなどを有した共用フロア『NEON』として2018年6月1日オープンした。『NEON』という名称には、「新しい(NEO)ことや新しい自分を起動(ON)する」という意味が込められているそうだ。

その中の『NEON DINING』では、オフィスワーカーに向けて、日本と世界の家庭料理をベースにした「コンフォートフード」を提供する。

『NEON DINING』のコンセプトメイキングやメニュー、などをコンサルティングしたのは、ホテルCLASKAやMUJI HOTEL BEIJING などを手掛ける、UDS株式会社。食堂事業の部署であるリラックスデザイン部の林綾子さんは、リニューアルにあたっての思いをこう話す。

「以前の食堂は、煙草が吸えるということもあって、ほとんど男性にしか使われていなかったんです。せっかくなら、男女幅広い年齢の方にヘルシーな食事でパワーチャージしてもらいたい。そう思って、コンセプト設計から入って、健康的なレシピ開発や美味しさに関わる食器の選定などに落とし込みました」

アジアやヨーロッパなど世界の料理を取り入れたり、スパイスや調味料で変化をつけたり、毎日飽きずに栄養補給をしてもらうための工夫をしている。また、食堂で一般的なメラミン食器はできるだけ避け、陶器を採用することにこだわった。

長く気持ちよく働ける環境を

そんなこだわりの中でも重要なパーツが、スタッフのユニフォームだった。はたらく方の年齢層も20代から50代までと幅広いため、男女年齢関係なくおしゃれに着こなせることが重要だ。またキッチンの中は暑く、清潔感を保ちながら暑さを軽減する工夫が必要だった。

「シタテルのコンシェルジュさんと話して、背中にベンチレーション(比翼)をつけたり、脇に通気孔をつけるなどの機能を追加しました。生地もたくさん種類を取り寄せて、薄さにこだわりました。

エプロンは上までつけることも、腰エプロンにもできるようにしました。作業中に使いやすいポケットの位置も、じっくり考えましたね」(林さん)

オリジナルユニフォームを作った背景には、スタッフの採用の事を考えてこだわりたいという林さんの強い思いがあった。

「飲食店全体的にですが、かなり採用が厳しいという課題感はありました。そんな中、”働いてみてもいいかな”と思ってもらえるためには、絶対おしゃれな制服にしたほうがいいと。食堂の制服って決まりきったものしかないんですよね。衛生面が厳しいので、見られることを意識した制服はない。

 出来上がって、スタッフからも”おしゃれだね”と喜んでもらえています。モチベーションも上がりますし、長く気持ちよく働いてもらうために大事なパーツです」(林さん)

これまでの”食堂”のイメージから一転、利用するオフィスワーカーも食事を提供するスタッフも生き生きとはたらくエネルギーが生まれ、新たなインスピレーションが閃く場所になっていくだろう。