「ハードなイメージがつきまとう工事現場のイメージを変え、スタイリッシュな業界であることを打ち出したいと考えました。そのためには、まず自分たちが変わらなければいけない。2018年に会社のリブランディングを図り、社名も『見えない部分をデザインする』という意味でアンダーデザインに変更したんです」(川口竜広/アンダーデザイン代表取締役社長)

アンダーデザインは1949創業の老舗企業。電気系統の整備を中心に発展し、現在はITインフラ構築やAWS導入などのICTソリューション事業、ワークスペースの設計・施工など、企業の働く環境を包括的にサポートする事業を提供している。

リブランディングに先立ってインフラ機器を集めた自社倉庫を“暗くて汚い”倉庫から“見せる”倉庫へと大転換。2018年にはグッドデザイン賞を受賞し、川口社長が打ち出す「デザイン・エブリシング」の考えを自社で表現することに成功した。

「ただでさえ人材獲得が難しい今の時代、業界のイメージを大きく変えていかなければいけない。ITインフラは社会貢献ともいえる、なくてはならない存在です。働く社員にも誇りを持ってもらいたいし、風通しのいい会社の雰囲気は外部からの反響にも大きく影響します」(川口社長)

そう考える川口社長がユニフォームにこだわったのは自然な流れだ。リブランディングに合わせてデザイン性のある綺麗なワークウエアを作ろうと検討してきた中で、デザイナーのつながりでsitateruを知った。既存のファッション業界に挑戦する社風に共感した川口社長がユニフォームの製作を依頼することになった。

「毎日着るものなので、着心地がよく、どこに着て行っても自慢できるようなユニフォームにしたかった。ユニフォームは愛社精神にも大きく関わってきます。通常の作業着と比べると4〜5倍のお金をかけましたが、それでも全社員の意識を変えたいと思ったんです。」(川口社長)

デザインにこだわったのはもちろんのこと、現場から必要な機能や動作をヒアリングし、デザインの改良を重ねた。肘、肩、脚の動きやすさを追求したり、電子機器への影響を考慮して静電気を逃がす素材を採用したり。最終的に、そのまま出かけても恥ずかしくないライダーススーツのようなデザインに仕上がった。

完成・着用し始めてからも、現場の声をもとにポケット位置を微調子するなど、こだわりは抜かりない。「ワークウエアというよりも、洋服屋さんで洋服を作るような感覚」だったという。春夏と秋冬で2つのデザインを作ったのも、ファッション性を意識してのこと。万人受けを目指すのではなく、個性のあるアンダーデザインらしいユニフォームが完成した。

今年4月から社員が着用しているが、私服としてユニフォームを外で褒められたり、ワークウエアが取引先との話のきっかけになったり、反響はすでに現れている。しかも、倉庫の改装を含めて、会社の新しいイメージは採用にも大きく貢献しているそうだ。昨年3人だった新規採用は今年すでに20人を超え、業界に対して前向きな人材からの募集が一気に増えたという。

「会社の方針に合うような方の募集が増えました。これは、業界の中で目立ってきたことの表れかもしれません。もちろんワークウエアも重要な役割を果たしています。倉庫やユニフォームで会社が目指している部分を表現できたことで、社員のモチーベションが上がり、社員経由で新たな採用につながるなどの波及効果も起きています」(川口社長)

通信・IT設備を構築する会社から、リブランディングを経て、アートや建築、デザインという要素を取り入れた空間設計まで実現できるようになったアンダーデザイン。今回のリブランディングによって「働く環境の改善」が持つ可能性を実証できたため、今後もデザインを軸とした働く環境の改善を積極的に提案していく計画だという。