自ら売り込んで実現したコラボレーション企画

菅沼ゆりさんは取材当日、ピンクのロングワンピースで現れた。
「このワンピース、ストライプインターナショナルさんとコラボして作ったお洋服なんです。ずっとお洋服が作りたくて、でも技術がないので、ストライプの方に『絶対に売れる洋服作るから』と直談判をして、できたコラボアイテムです」

菅沼さんは2018年の春夏と秋冬、2シーズンにわたってストライプインターナショナルとコラボしたアイテムを制作、受注販売してきた。初めは自ら企画を持ち込み、その熱量をストライプインターナショナルが買ってくれたことでコラボが実現した。昨年6月に企画が決まり、7月末の受注販売に向けて、トップスからボトムス、ワンピース、バッグまで、超短期でサンプルの制作を行った。

「私はデザイン画を描けないので、高校生の頃から集めてきたお洋服のディテール写真や家具・インテリアなんかのイメージ素材をピックアップして提出たんです。ストライプの担当の方が私のことをよく知ってくれていて、作りたい雰囲気を汲み取ってくれて。

彼女がいたから私の想像を形にできたんだと思います。でも、ファーストサンプルは全然イメージと違うことも多くて、微調整には苦労しましたね。洋服ってもっと簡単に作れるんだと思ってました」

旅や日常で貯めたインスピレーションを服に

ブランドコンセプトには彼女自身が人生のテーマに掲げる“大人ポップ”を踏襲した。幼少期から大好きなポップで遊び心ある色使いやデザインを大人っぽく落とし込んだという。おすすめのアイテムを聞くと、うれしそうにハンドバッグを見せてくれた。

「実はおすすめを持ってきたので、見せたくって!このバッグほんとに自信作なんです。ものがたくさん入る真四角のハンドバッグ、可愛くないですか?」

バッグにプリントされたデザインは菅沼さん自身が制作したもの。ハワイ旅行で撮影した写真に色や文字のコラージュを施した。しかもiPhoneのアプリだけで作ったというから驚きだ。そんなクリエイション力、どこから生まれるのだろうか。

「アイデアはどんどんあふれてくるかも。画像コラージュはずっと好きで、もともと小さい頃からラインストーンで携帯をデコったりしてました(笑)。ネイルをするときも海外の絵を参考に自分でイメージを描いたり…今のネイルのチェック柄はとある雑誌の表紙を意識してやってもらったんです」

共感を呼ぶファンとの距離感

菅沼さんといえば、もともとコンプレックスだったという153cmの身長を生かしたコーディネートが多くのファンの共感を呼んでいる。だが、コラボアパレルに関しては、あくまで彼女自身が着たいものを意識して作ったという。

「ファンの方々は私にどんな芯があるのかを知ってくれているので、服を作る時にファンのことは全く意識しませんでした。第一優先は自分のスタイルがよく見えるものと、自分が今一番いけてると思うもの。

もちろん、たくさんの人に洋服を手にとってほしいので、奇抜すぎるものは避けたり、使いやすいカラバリを増やしたりはしています。あと、SNSで発信する時には真似しやすいコーディネートとか、すごく共感を意識しています」

受注販売に合わせて初となるファンミーティング「ゆりっぱーてぃ」を開催した。70人限定で、菅沼さんの部屋にファンを招待するというコンセプトで自宅を模した空間を作り、前夜には人数分のドライカレーを仕込んで、当日ファンに振る舞った。ここではコラボした洋服の試着やスマホカバーなどのオリジナルアイテムの販売もした。

もちろん、SNSでもファンとの交流は欠かさない。

「ファンの方との距離感は意識していて。なんなら自分から詰めに行きますね。イベントのときも、髪型変わったね!とか話しかけたり。あと、SNSのコメントは全部チェックしているし、反応もできるだけします。だってもし自分がファンの立場だったら、コメント返ってきたら嬉しいじゃないですか!DMもみんなが参考にできそうな相談だったらスクショに撮ってストーリーに載せることもあるし、個人的な悩みにも見えないところで返しています。そもそも私携帯依存症だから、なんでもすぐに発信したくなっちゃう(笑)。しかも寂しがりやなんで。忘れられたくないから、一日一投稿はします」

 

作りたいと思ったときに作れるのが理想

ここ数年、モデルやインフルエンサーが自分の好きなテイストの古着を買い付け、オンラインやフリマで販売する手法が一つのメインストリームになりつつある。菅沼もオリジナルだけでなく、買い付けにも興味があるのかと聞いてみた。

「もちろん興味はあるんですが、みんながやっているから、私はやらなくてもいいのかなって。自分しかできないことをやっていきたいんですよね。コラボにしても、ブランドを立ち上げてほしいという声もあるんですが、そうすると大きく考えすぎちゃって、無理して作っちゃう気がして…。純粋に作りたいと思った時に作れるのが理想です」

そんな人とは違うことを意識する菅沼は去年、自分の強みを見つけようと、コスメ&スキンマイスターの資格を取得したほどだ。そんな多才な彼女は今後、どんなことをやってみたいのか。

「ブランドとは言わずとも、クリエイティブチームみたいな形で活動するのは理想かも。お洋服もそうだし、お皿とかブーツとか、なんなら家具とかも作ってみたい。もともとインテリアがすごく好きなので、ライフスタイルを極めたいです。ファッションだったらユニセックスなお洋服は作ってみたいし、あとは、実はコスメのコラボもしたことがなくって。もっともっといろんなものを作っていきたいです」